沖縄の施政権がアメリカから日本に返された「沖縄返還」。
第二次世界大戦が終わってからしばらくの間、沖縄の施政権はアメリカの手に渡っていました。
ではいつから沖縄の施政権が日本に戻されたのでしょうか?
沖縄返還の時期と経緯、沖縄返還の50周年についてご説明していきます。
沖縄返還はいつだった?
沖縄がアメリカから日本に返還されたのは、1972年(昭和47年)の5月15日です。
「沖縄返還協定」という著名によって、アメリカから日本に返還されました。
沖縄の施政権がアメリカの手に渡っている間は、沖縄への移動にはパスポートと渡航証明書が必須。同じ日本にも関わらず気軽に行ける場所ではありませんでした。
それだけではなく、通貨も交通ルールもアメリカ方式に変わっていました。
沖縄の通貨はもともと「円」。その後アメリカに施政権が移った後は、アメリカの通貨である「ドル」に変わりました。
交通ルールも日本と違い、右側走行に変更。日本は左側走行なので交通ルールも変わってしまうと、生活にも影響して不便になりますよね。
沖縄が返還されてからは元通り、日本の通貨は戻り、遅れて交通ルールも戻りました。
沖縄返還の経緯は?
アメリカの施政権下に置かれた当時の沖縄では、日本への復帰を求めた社会運動(祖国復帰運動)が展開されていました。
そんな祖国復帰運動も、通貨や交通ルールの変更など、生活の不自由さを感じながらも、停滞気味の時期がありました。
その間世界では「朝鮮戦争」、「東西冷戦」、「ベトナム戦争」が繰り広げられ、沖縄は軍事的価値が高くなり、軍事基地がどんどん大きくなっていきました。
軍事基地が大きくなるにつれて増える事故や事件。
沖縄は物騒になる一方でした。
しかし軍基地の問題が発端で、その後の1950年代後半に抵抗運動が開始!
そしてこのことをきっかけに、停滞していた復帰運動に火が着き、1960年(昭和35年)の4月には「沖縄県祖国復帰協議会」が結成されました。
復帰協議会の結成を元に、日本の政党もついに動き出しました。
しかし復帰運動のあり方はさまざまで、与党と野党はそれぞれ違う意見を主張し合いました。
当時、内閣総理大臣の佐藤栄作総理大臣は「日米安保条約」の延長と沖縄の返還を課題に掲げました。
ところが日本社会党や日本共産党は、「日米安保条約」の延長を批判していたため、それに伴い沖縄返還にも反発。
さらには新左翼や学生運動も巻き込み、沖縄返還に対して反安保・沖縄返還の運動が日本国内で広がりました。
その後の1970年(昭和45年)の12月にある事件が起こりました。
それは「アメリカ軍兵士による交通事故」です。
これまで不当に扱われ、差別されてきた市民はついにアメリカ軍兵士による交通事故をきっかけに不満を爆発させました。
その後、当時アメリカのニクソン大統領は、ついに日本への沖縄返還に力を入れ始めました。
事実的に、ベトナム戦争終結の公約や日本との安保条約を重要視したことが、沖縄返還の背景にあります。
佐藤栄作総理大臣はアメリカのニクソン大統領と、非核三原則やアメリカ軍の各種核兵器の取り決め、日本は返還のための対価をアメリカに支払うこととし、話はまとまりました。
そうしてようやく、沖縄の施政権は日本へと返還されました。
しかしこれですべてが解決とはいかず、アメリカ軍基地がまだ日本にあったことなど問題もありました。
このことは市民の期待通りの結果にはならなかったため不満が募り、のちに大きな抗議運動へと繋がります。
沖縄がアメリカの施政権下に移った時に変わった通貨は、元通り「円」に戻りました。しかしアメリカ方式の交通ルールはすぐに戻すことはできず、元の日本の交通ルールに戻ったのは6年後の1978年でした。
そうして沖縄は日本に返還されましたが、現に今も沖縄にアメリカの米軍基地があります。なにか問題が起きた際には、市民の抗議運動が今も行われています。
沖縄返還50周年記念
今年2022年(令和4年)5月15日に、沖縄が日本に返還されて50年が経ちます。
沖縄では50周年の記念と、沖縄のさらなる発展を願って、沖縄復帰50周年記念式典が行われます。
この記念式典は招待者のみの来場にはなりますが、オンラインでも開催風景を見ることができます。
オンラインが主流になっている今、ネット環境があれば誰でも記念式典を見ることができるのでありがたいですね。
また、沖縄返還50周年を記念して記念貨幣の発行も決まっています。
1万円金貨幣は153500円、千円銀貨幣は11700円と値段は張りますが、記念に持っておくのもいいかもしれませんね!
発送予定は金貨幣が9月下旬、銀貨幣が8月下旬。
記念硬貨を作るのには少し時間がかかるみたいです。
沖縄返還はいつだった?経緯を分かりやすく説明!まとめ
沖縄は一時、アメリカの施政権下に置かれましたが、市民や政党の返還運動を機に日本に戻すことができました。
沖縄返還で問題がすべて解決したわけではありませんが、この先迎える沖縄返還50周年を温かい気持ちでお祝いできるといいですね♪
最後までご覧いただきありがとうございました。
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